2022年03月02日
サマリー
◆銀行と信用金庫で貸出先業種がいかに異なるか。中小企業貸出に焦点をあて検証したところ、建設業、飲食業や生活関連サービス業に対する貸出は件数、残高ともに信用金庫のシェアが高い。奇しくもこれら業種はコロナ禍の影響を強く受けた業種と重なる。実際、コロナ禍の前後で国内銀行を上回って信用金庫の貸出が増えた。
◆貸出先業種が業態によって異なる背景には、業態別のリスク回避に対する姿勢の違いがあると推察される。貸出金利回りと不良債権比率で検証すると信用金庫に比べ銀行はリスク回避的である。銀行の中でも地域一番行はそれ以外の業態に比べそうした傾向が強いと見受けられる。
◆地域金融機関には資金移動インフラ業としての機能と貸出すなわち金融仲介の機能がある。地元自治体の指定金融機関を担うなどインフラとしての地域一番行に対し、二番手行や信用金庫は地域経済エコシステム内で金融仲介を補完する役割を担ってきた。特に信用力の見極めが難しいものの雇用面で地域に欠かせない業種に対する貢献が大きい。地域金融の再編にあたって域内の相互補完関係を崩さないよう注意が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
融資ビジネスから投資ビジネスへ 銀行が新たに取組む「企業支援」の課題
根底にある融資文化と投資文化の違いを直視すること
2021年02月04日
-
経済圏別の地域金融機関シェアの試算
中小地方都市で存在感を示す信用金庫
2018年09月07日
-
中小企業の借入利率の低下ペースが緩やかなのはなぜか
地域金融機関の持続可能なビジネスモデルに関する一考察
2018年06月14日
-
地方の貸出金残高の動向は何で決まるのか
東京に集中する借入需要と全国に遍在する資金使途
2017年10月06日
-
夏祭りより大事な銀行の地域密着
2018年08月29日
同じカテゴリの最新レポート
-
データが語るコーポレートファイナンス No.3 増える社債発行額、増えない発行体
潜在的な社債発行企業を起債確率により推計
2026年09月17日
-
家計部門の預金残高の推計(後編)
都道府県別の預金残高と金融商品選択志向の変化
2026年09月11日
-
家計部門の預金残高の推計(前編)
国内全体の預金残高の推移
2026年09月11日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

