経営者報酬とESG要素の関連開示を求める米国新規則案

ESGに関するパフォーマンスの経営者報酬への反映を期待する開示規則案をSECが公表

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サマリー

◆米国SECが経営者報酬に関する開示規則案を1月27日に公表した。2010年に成立したドッド・フランク法に基づく規則だが、トランプ政権時代にストップしていた検討を再開した格好だ。

◆規則案では、「経営者の報酬決定にあたって企業が用いる最も重要な指標(Company-Selected Measure)」の5年間のデータを開示するとともに、他に報酬決定に用いる指標があれば最大5つまで開示することが求められている。

◆SEC委員の談話では、その指標としてESG関連の要素を含めることが期待されている。この規則が施行されれば、ESG指標を経営者報酬の決定に関連付けている企業かどうかが分かるようになる。しかし、委員の中には、この規則案はSECの権限を越えているという指摘もある。

◆日本では、人的資本や男女間賃金格差に関する情報開示ルールの検討を岸田首相が提案している。経営者報酬との関連を開示させる点で米国の新規則案は、企業によるESGへの取り組みを加速する方策として、わが国でも今後の検討課題となるかもしれない。

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