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コロナ禍での中小企業の資金繰り動向

資金繰りとバランスシートの頑健性を点検

坂口 純也

サマリー

◆新型コロナウイルスの感染拡大が継続する中、中小企業の財務活動には依然として強い圧力が加わっている。売上の急減に伴う資金繰りのひっ迫については、金融機関の積極的な融資に代表される資金繰り支援策が機能している。結果として、過去に資金繰りがひっ迫した時期に比べて目立った倒産の増加が見られていない。

◆もっとも、厳しい事業環境が継続する中においては、引き続き資金繰りが課題となりつつ、企業のバランスシートがどこまで負債の積み増しに耐えられるかという点も焦点となる。マクロで見るとこれまで20年間、企業が財務基盤を充実させてきたことはポジティブである一方、コロナ禍の影響を特に大きく受ける宿泊業・飲食業の財務基盤にやや脆弱性が見られるのは気がかりである。

◆また、中小企業への資金供給の要である金融機関については、頑健な健全性を保っている一方で、信用コストを吸収する本業利益が薄くなっていることが懸念材料である。担保の価値という観点から、足元で上昇ペースが鈍化し始めた地価も注視すべき点である。

◆先行きについては、ワクチンの接種拡大による感染拡大の収束と経済活動の正常化に至るまでの間は、資本性資金の活用によって傷んだバランスシートを補強する対応が考えられる。リスクとしては、①拙速な資金繰り支援策の引き揚げ、②事業の継続を断念する休廃業の増加の2点が挙げられる。

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