3月日銀短観から読み解く企業の資金繰り

企業金融関連のDIはいずれも改善

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サマリー

◆日本銀行から全国企業短期経済観測調査(短観)の2015年3月調査結果が発表された。企業金融関連DIは、資金繰り判断DIが前回調査から2%pt高い12%pt、金融機関の貸出態度判断DIが前回調査から2%pt高い20%pt、借入金利水準判断DIが前回調査から1%pt低い-11%pt(最近)となった。いずれのDIからも、企業の資金調達環境が改善している様子が確認できる。


◆今回の資金繰り判断DIに改善が見られたのは企業規模別にみると大企業であり、また業種別にみれば非製造業である。金融機関の貸出態度判断DIは企業規模・業種にかかわらず改善していることから、資金繰り判断DIの改善は資金の出し手側の変化というよりは、企業収益の改善度合いの差が、資金繰り判断の差に影響しているものとみられる。


◆企業の借入金利は低下傾向にあったが、今回の大企業の借入金利水準判断DI(最近)は上昇した。企業規模にかかわらず、全体的に先行きに関しては上昇を予想する企業が多く、企業の借入れコストが上昇に転じるかどうか、今後の動向に注意する必要がある。

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