2015年01月23日
サマリー
◆アジアの中で国際金融センターとして名前が挙がるのは、東京(日本)・香港・シンガポールである。その3都市にある取引所の中では、規模からいえば日本取引所グループが最も大きく、次いで香港取引所、シンガポール取引所(SGX)となる。
◆日本の場合、取引所は日本経済の成長を支える形で発展してきた。一方の香港・シンガポールは、取引所自体が経済成長の一翼を担う立場である。香港取引所もSGXも中国企業の取り込みやデリバティブ商品等の拡充に力を入れているが、これは国や地域の戦略の一環とも言えるだろう。
◆アジア域内では欧米のように国や地域をまたいだ取引所の再編は起きていないが、香港取引所・上海証券取引所・深セン証券取引所の“中国連合”や、SGXを中心とした“ASEAN連合”のように、緩い枠組みはでき始めている。日本の取引所とこれらの関係は“競合”に見られることも多いが、各国・地域における取引所の役割・戦略は三者三様である。アジア金融・資本市場の発展のためには、三者が相互に協力し、ともに発展することが望ましい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
ASEAN経済統合がもたらす域内証券取引所への影響(下)
証券取引所毎の機能的な棲み分けが進む
2014年12月10日
-
ASEAN経済統合がもたらす域内証券取引所への影響(上)
各国の規制等の相互承認・調和化→激しくなる取引所間の競争
2014年10月23日
-
HFTを巡る議論の動向
市場の公正性や安定性に影響を及ぼす懸念が根強く存在
2014年05月12日
-
日米株式市場の相違点
株式市場構造と取引手法
2014年07月28日
同じカテゴリの最新レポート
-
「少額投資の在り方に関する勉強会」報告書
東証は上場会社、投資家向けの情報発信などを強化
2025年04月28日
-
IR体制の整備の義務化
パブリック・コメントの開始/7月を目途に実施予定
2025年04月23日
-
個人株主の議決権行使比率は高められるか
「飛び道具」は無いため、株主負担の地道な引き下げが重要
2025年03月26日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日