二極化しているASEAN株式市場
好調なタイ、フィリピン、インドネシア。マレーシアにも注目。
2012年12月28日
サマリー
◆新興国の中でもASEANの株価上昇が顕著となっている。米国、欧州、日本が金融緩和を行う中で、リスクマネーが新興国全体に行きわたるというよりも、ASEANに集中的に流れこんでいるように見受けられる。
◆興味深いのはASEANの中でも、タイ、フィリピン、インドネシアの株価上昇が顕著な一方で、マレーシアの株価上昇が限定的なことだ。
◆この要因として、マレーシアは外需依存型の経済であるため、世界経済の減速が株価にも影響したという見方がある。しかし、クアラルンプール総合株価指数(KLCI指数)で高いウェイトを占めるのは金融、商業・サービスという内需関連銘柄であるため、外需の停滞がKLCI指数の上昇を限定的にしている理由とは必ずしも言えない。
◆KLCI指数を構成する企業は他の新興国と比べてもROE(株主資本利益率)が高いことを考えると、マレーシア株式への注目が高まる可能性は十分にあろう。
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