企業の資金需要、長期低迷の中にも変化の兆し

 需要増加のポイントは非製造業設備投資と対外直接投資

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サマリー

◆日本企業は全体でみると資金余剰の状態にあり、借入・増資・社債発行など、外部からの資金調達を積極的に行っていない。バブル期に抱えた過剰債務は2000年代半ばに解消されたといわれているが、企業の資金調達は内部調達(内部留保・減価償却など)が中心となっているのが現状である。

◆資本金が相対的に大きい企業は徐々に外部からの資金調達を増やしており、増資による自己資本の充実など、財務体質強化の動きもみられる。今後は特に非製造業の設備投資や、海外への直接投資が資金需要の増加に影響を与える要因として注目されよう。

◆企業が保有する現預金は高水準であり、内部留保も増加傾向が続いている。成長のために新たな投資を行っていく必要があるが、現在保有している資産をより効率的に利用する対策も必要であろう。

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