2012年02月22日
サマリー
◆日本企業の種類株式発行による増資は少ない。種類株式の中で最も利用されている優先株式は、企業が資金繰りに窮したときの救済手段として用いられることが多く、一般的な資金調達手段としてはあまり認識されていない。一方、海外では企業救済に限らず、一般的な資金調達として種類株式による増資を行うことが少なくない。取引所に優先株式を上場させている企業も多い。
◆日本において優先株式を取引所に上場させているのは1社のみであるが、当該企業の優先株式は普通株式の株価を下回る状態が続いている。その他の種類株式としては過去、子会社業績連動株式が上場した例があるが、株価や売買高の低迷を受け、数年後に上場を廃止している。
◆優先株式は発行体の資金調達手段および投資家の資金運用手段の中で、普通株式と社債の中間的存在として独自のニーズがあるのではないだろうか。米国優先株式の株価指数に連動するETFやこれらETFを投資対象とする投資信託が日本の証券会社を通じて購入できる環境が整いつつあり今後日本の投資家の優先株式に対する関心が高まっていく可能性もある。従来の「企業が資金繰りに窮したときの救済手段」という印象を払拭し、その機能を活かす方法を考えるべきではない
だろうか。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
「資本コスト経営」で投資家評価が始まる
投資家に改善を促す動き
2026年07月15日
-
「ベンチャーキャピタルにおいて推奨・期待される事項」(VCRHs)の見直し
ベンチャーキャピタルのガバナンス強化と投資魅力向上を図る
2026年07月13日
-
2025年度の個人向け社債市場の動向
発行額は過去最高に。今後は発行体の裾野が広がるかが注目点
2026年07月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

