2019年04月11日
サマリー
現在、金融機関、特に証券ビジネスを営む金融機関には顧客本位の業務運営が求められている。その取り組みにおいては、「顧客」の捉え方に本質的な課題があると考えられる。つまり組織として、ターゲットとする次世代を含めた顧客の特性を捉えることが必要不可欠であろう。
顧客の捉え方において押さえておくべきは、ボリューム層となる顧客の今後の変化だろう。現在のボリューム層である「団塊の世代」は、2025年に全てが後期高齢者に、2035 年に平均死亡年齢に達する。この過程において、ボリューム層は「団塊ジュニア世代」に移るが、団塊の世代と比較して、所得、資産、負債における家計の標準モデルが変化しよう。その次の「ミレニアル世代」では、この変化がさらに大きくなる可能性が高い。
今後の顧客のボリューム層が金融機関に求める付加価値は大きく変わり、金融機関の提供する付加価値と異なる可能性がある。将来のターゲットとする顧客を組織的に捉えた上で、金融業の商品および販売体制を抜本的に見直す必要が出てくる可能性があるだろう。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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