GRI(Global Reporting Initiative)は、国連環境計画(UNEP)の公認協力機関でCSR報告書のガイドラインを開発している団体である。2000年にGRIガイドライン第1版(G1)、2002年に第2版(G2)、2006年に第3版(G3)、2011年に3.1版のガイドラインを公開している。現在、開発中(※1)の第4版(G4)は、2013年5月に公開予定としている(※2)。
GRIは、組織の「社会的責任に関する手引き」であるISO 26000に準拠した情報開示のあり方を示すガイダンスも公表(※3)している。また、財務情報と非財務情報の統合報告のフレームワークを開発しているIIRCとも協働している(※4)。今後のGRIガイドラインは、幅広いESG要素をカバーすることになる。
CSR報告書は企業が自主的に開示するものであるが、非財務情報の開示フレームワークとしては、このGRIのガイドラインが国際的にデファクトスタンダードとなりつつある。CorporateRegister.comの調査(※5)によると、CSR報告書においてGRIを参照する企業は年々、増加しており、2011年は40%以上の企業が参照しているとしている。
(※1)ESGニュース 2011年10月7日 「GRIが次世代ガイドラインG4開発のための調査開始」
(※2)GRI “G4 Developments”
(※3)GRI “GRI-ISO 26000: HOW TO USE THE GRI GUIDELINES IN COMBINATION WITH THE ISO 26000”
(※4)GRI “GRI and IIRC deepen cooperation to shape the future of corporate reporting”
(※5)CorporateRegister.com “CR Reporting Awards 12 Official Report: Global Winners & Reporting Trends”
(2013年3月29日掲載)
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