グリーンIT
2009年06月08日
「グリーンIT」とは、ITがかかわる活動における地球温暖化対策のことである。 ITのかかわり方には2種類ある。1つはIT機器や情報システムそのものの環境負荷の低減で、もう1つはITを利用した個人・企業などの社会活動を変えることによって環境負荷を低減するものである。前者を「グリーン of IT」、後者を「グリーン by IT」と呼ぶ。
地球温暖化は、人類の活動に起因するCO2など温室効果ガスの急激な増加が原因といわれている。温室効果ガスの排出量は次の式で表すことができる。
温室効果ガス排出量Xを減らすためには、AやBを減らし(単位活動あたりエネルギー消費量を減らす、活動回数や活動時間を減らす)、Cの小さいエネルギー(太陽光・風力発電などの再生可能エネルギー)を使うことが求められる。A、B、Cのいずれか1つだけでもいいが、複数の対応をすることで、相乗的な削減効果を得ることができる(図表1)。

出所:大和総研作成
こうした対策は、そもそも利便性の向上、業務プロセスの効率化、事業継続性や情報セキュリティの向上などを目的として実施することも多い。グリーンITは、ビジネスや社会生活のIT基盤を強化しつつ温室効果ガス排出量を削減することができる地球温暖化対策といえよう。
(※1)単位エネルギー消費量を、地球温暖化ガス排出量に換算するための係数で、値が小さいほど環境負荷が小さい。
- (2009年6月8日掲載)
- (2013年7月18日更新)
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2008年01月08日
2008年はグリーンIT
-IT業界の動き概観-
-
2008年09月05日
グリーンITブームを競争力強化の機会と捉えよう
—省エネ関連制度の改正と環境視点の企業選別の広がり—
-
2009年01月19日
成長と低炭素社会実現の両立を目指すグリーンIT
2009年1月19日、大和総研主催のメディア向け勉強会にて使用した資料
-
2014年05月27日
PUE
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月18日
税金読本(10-1)デリバティブ取引の税金の基本
-
2021年01月15日
ポストコロナの人事制度を考える視点
~働く人の意識変化をどう捉えるか~
-
2021年01月14日
2020年11月機械受注
船電除く民需は市場予想に反し2ヶ月連続で増加、回復基調が強まる
-
2021年01月14日
アメリカ経済グラフポケット(2021年1月号)
2021年1月12日発表分までの主要経済指標
-
2021年01月18日
新局面を迎えるナウキャスティング
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く