「グリーンIT」とは、ITがかかわる活動における地球温暖化対策のことである。 ITのかかわり方には2種類ある。1つはIT機器や情報システムそのものの環境負荷の低減で、もう1つはITを利用した個人・企業などの社会活動を変えることによって環境負荷を低減するものである。前者を「グリーン of IT」、後者を「グリーン by IT」と呼ぶ。
地球温暖化は、人類の活動に起因するCO2など温室効果ガスの急激な増加が原因といわれている。温室効果ガスの排出量は次の式で表すことができる。
温室効果ガス排出量Xを減らすためには、AやBを減らし(単位活動あたりエネルギー消費量を減らす、活動回数や活動時間を減らす)、Cの小さいエネルギー(太陽光・風力発電などの再生可能エネルギー)を使うことが求められる。A、B、Cのいずれか1つだけでもいいが、複数の対応をすることで、相乗的な削減効果を得ることができる(図表1)。

出所:大和総研作成
こうした対策は、そもそも利便性の向上、業務プロセスの効率化、事業継続性や情報セキュリティの向上などを目的として実施することも多い。グリーンITは、ビジネスや社会生活のIT基盤を強化しつつ温室効果ガス排出量を削減することができる地球温暖化対策といえよう。
(※1)単位エネルギー消費量を、地球温暖化ガス排出量に換算するための係数で、値が小さいほど環境負荷が小さい。
- (2009年6月8日掲載)
- (2013年7月18日更新)
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2008年はグリーンIT
-IT業界の動き概観-
2008年01月08日
-
グリーンITブームを競争力強化の機会と捉えよう
—省エネ関連制度の改正と環境視点の企業選別の広がり—
2008年09月05日
-
成長と低炭素社会実現の両立を目指すグリーンIT
2009年1月19日、大和総研主催のメディア向け勉強会にて使用した資料
2009年01月19日
-
PUE
2014年05月27日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日