諸外国におけるアクティブETFの動向

諸外国では開示をめぐる議論はあるものの、資金流入が続く

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サマリー

◆東京証券取引所(以下、東証)は2023年6月をめどに、アクティブ運用型ETF(連動対象となる指標が存在せず、ベンチマークを上回る成果を目指して運用が行われる上場投資信託。以下、アクティブETF)の上場制度を整備すると発表した。

◆すでに諸外国ではアクティブETFが導入されている例が多い。2022年末時点で、全世界24カ国、32の取引所でアクティブETFが取引されており、純資産残高は約4,880億ドルに上るという調査結果もある。投資信託に比べて低コストであることや、市場価格で取引できることなどのメリットを受け、投資信託からETFに資金が流入したようだ。

◆アクティブETFをすでに導入した国々においてしばしば議論される論点として、どの程度の頻度でポートフォリオの開示を求めるのか、という点が挙げられる。東証はポートフォリオの日次の開示を求める予定だ。ポートフォリオの日次の開示により、ETFの構成銘柄や価格に対する透明性が高まる一方、ファンドの運用戦略が分析・模倣されてしまう可能性がある、といったデメリットがあり、諸外国では対応が割れている。

◆米国においては、原則として日次のポートフォリオ開示が求められているが、特殊な仕組みを用いてポートフォリオの日次開示に伴うデメリットを克服したETFが上場しているなど、様々な工夫が見られる。

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