資産運用における悩みに金融機関はどのように対処するべきか

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2021年08月16日

サマリー

◆本レポートでは、金融庁が公表した「リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査結果」を用いて、資産運用を続ける中で判断に困った場面やその時の対処法について、利用金融機関の業態(ネット銀行・証券/対面銀行・証券)別に検討した。

◆その結果、「ネット銀行・証券」利用者と「対面銀行・証券」利用者では、資産運用に関して悩んだ経験がある人の比率や悩みの内容に、大きな違いはなかった。一方で、資産運用に悩んだ際の対処の仕方は、利用する金融機関の業態によって一部違いがあった。「対面銀行・証券」利用者と比べて「ネット銀行・証券」利用者は、悩んだ時に「調べれば自分で判断できると思ったので、誰にも相談せず、進んで自分で判断した」人の割合が高かった。対して「対面銀行・証券」利用者は、資産運用の悩みに直面した際に「金融機関(担当者)に相談した」人の割合が相対的に高かった。もっとも、「ネット銀行・証券」利用者と「対面銀行・証券」利用者のいずれにも、「誰かに相談したかったが、相談する人がおらず、やむを得ず自分で判断した」人が2割程度は存在した。

◆資産運用における悩みを解消するにあたって、「ネット銀行・証券」であれば、チャットボットやロボアドバイザー等を用いた資産運用相談サービスを充実させることなどが考えられる。対して「対面銀行・証券」であれば、金融商品購入後のフォローアップをさらに充実させることによって、顧客の抱える悩みを解消することが考えられる。

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