サマリー
本稿では、パッシブ運用が増加する中で、生じる問題点、株価指数の使われ方やその在り方、そして最後に東証再編の議論の中での指数の議論を検討した。
アクティブ運用よりもパッシブ運用の方が優れた運用成果を残すことが明らかになったため、パッシブ運用が増えるのは自然なことである。ただし、パッシブ運用は、物言わぬ投資家であり、企業ガバナンスを弱体化するという批判や、逆に経営介入的になれば、企業間の競争を阻害する恐れがあるとの指摘がある。
最近ではESG要素を考慮するなど、様々な株価指数が公表されているが、広く一般に使われる指数に、例えばガバナンスのような特定の要因を含めることには、なお検討の余地があろう。
東証再編の議論の中で、市場区分の在り方と同時にTOPIXの在り方も問われているが、増大するパッシブ運用の投資資金の流れを大きく変える可能性がある。
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