中期経営計画の近時動向 <2024年10月>

「ローリング型」の比率上昇

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  • コンサルティング企画部 主任コンサルタント 五十嵐 陽一

サマリー

◆大和総研の集計では、国内上場企業による2024年1~9月の中期経営計画発表件数は614件であり、直近7年間で最多の水準となった。

◆近年の中期経営計画のトレンドは、ROE(自己資本利益率)やROIC(投下資本利益率)に代表される資本収益性目標の導入拡大である。生命保険協会の調査では、ROICの経営目標導入比率はこの1年間で18%から23%に上昇した。

◆足もとでは、「ローリング型」中期経営計画の比率が上昇傾向にある。外部環境の変化に柔軟に対応するため「ローリング型」中期経営計画が採用されているケースが増えている一方で、「ローリング型」を取りやめて独自の中長期計画を策定する事例も出てきている。

◆事業環境における先行きの不透明感が強まっている昨今において、外部環境の変化に対する認識や、今後の経営の方向性に関する説明が社内外で求められている。そのために中期経営計画の重要性は高まっているといえ、企業のステージや取り巻く外部環境等を踏まえ、最適な枠組みで打ち出していくことが望ましい。

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