2015年12月15日
サマリー
◆事業撤退は新規事業への参入に比べ、よりストレスフルな経営判断を迫られるケースが多い。しかしながら、事業ポートフォリオを常にイノベーティブな状態に保つためにも事業撤退を受動的なものからより戦略的なものへと変えていく必要があろう。
◆撤退基準を明確にしている企業はそれほど多くはない。原因の一つに、わが国における事業撤退を含めた「リストラクチャリング」に対する誤った認識があると推察される。
◆事業撤退の困難さを正しく認識するためには、外的要因と内的要因に分けて取り巻く環境を紐解くことが欠かせない。特に内的要因については特定の心理的なバイアスやスキーマ(認知に関わる枠組み)の存在を自覚することが求められる。心理的なバイアスやスキーマは組織体に対して強く作用するケースもあれば経営者個人、あるいは広く一般の人に作用するケースもある。こうした事業撤退の困難さを、その要因と共に冷静に認識することは撤退プロセスを合理的なものにするためにも重要であろう。
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