2015年12月15日
サマリー
◆事業撤退は新規事業への参入に比べ、よりストレスフルな経営判断を迫られるケースが多い。しかしながら、事業ポートフォリオを常にイノベーティブな状態に保つためにも事業撤退を受動的なものからより戦略的なものへと変えていく必要があろう。
◆撤退基準を明確にしている企業はそれほど多くはない。原因の一つに、わが国における事業撤退を含めた「リストラクチャリング」に対する誤った認識があると推察される。
◆事業撤退の困難さを正しく認識するためには、外的要因と内的要因に分けて取り巻く環境を紐解くことが欠かせない。特に内的要因については特定の心理的なバイアスやスキーマ(認知に関わる枠組み)の存在を自覚することが求められる。心理的なバイアスやスキーマは組織体に対して強く作用するケースもあれば経営者個人、あるいは広く一般の人に作用するケースもある。こうした事業撤退の困難さを、その要因と共に冷静に認識することは撤退プロセスを合理的なものにするためにも重要であろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
【経営企画部 業務必携】コーポレートガバナンス・コード時代の企業価値創造プロセス(9)
チャーミングなストーリーラインを目指して
2016年09月05日
-
【経営企画部 業務必携】コーポレートガバナンス・コード時代の企業価値創造プロセス(8)
チャーミングなストーリーラインを目指して
2016年05月26日
-
【経営企画部 業務必携】コーポレートガバナンス・コード時代の企業価値創造プロセス(6)
チャーミングなストーリーラインを目指して
2015年11月19日
-
【経営企画部 業務必携】コーポレートガバナンス・コード時代の企業価値創造プロセス(5)
チャーミングなストーリーラインを目指して
2015年11月06日
-
【経営企画部 業務必携】コーポレートガバナンス・コード時代の企業価値創造プロセス(4)
チャーミングなストーリーラインを目指して
2015年10月23日
-
【経営企画部 業務必携】コーポレートガバナンス・コード時代の企業価値創造プロセス(3)
チャーミングなストーリーラインを目指して
2015年10月15日
-
【経営企画部 業務必携】コーポレートガバナンス・コード時代の企業価値創造プロセス(2)
チャーミングなストーリーラインを目指して
2015年10月06日
-
【経営企画部 業務必携】コーポレートガバナンス・コード時代の企業価値創造プロセス(1)
チャーミングなストーリーラインを目指して
2015年09月28日
同じカテゴリの最新レポート
-
シリーズ 民間企業の農業参入を考える
第3回 生産基盤としての耕地(1)
2025年09月05日
-
ROEの持続的向上のための資本規律の重要性
資本コストを真に意識した財務戦略への道
2025年05月02日
-
シリーズ 民間企業の農業参入を考える
第2回 異業種参入:持続的成長をもたらす戦略とは
2025年03月11日
関連のサービス
最新のレポート・コラム
-
働く低所得者の負担を軽減する「社会保険料還付付き税額控除」の提案
追加財政負担なしで課税最低限(年収の壁)178万円達成も可能
2025年10月10日
-
ゼロクリックで完結する情報検索
AI検索サービスがもたらす情報発信戦略と収益モデルの新たな課題
2025年10月10日
-
「インパクトを考慮した投資」は「インパクト投資」か?
両者は別物だが、共にインパクトを生むことに変わりはない
2025年10月09日
-
一部の地域は企業関連で改善の兆し~物価高・海外動向・新政権の政策を注視
2025年10月 大和地域AI(地域愛)インデックス
2025年10月08日
-
政治不安が続くアジア新興国、脆弱な中間層に配慮した政策を
2025年10月10日