シリーズ 民間企業の農業参入を考える

第3回 生産基盤としての耕地(1)

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  • コンサルティング企画部 主席コンサルタント 林 正浩
  • 大和フード&アグリ株式会社 副部長 藤田 葵

サマリー

◆食料供給の観点から農業経営の形態を整理すると、「国内生産・国内販売」、「国内生産・海外販売」、「海外生産・国内販売」、「海外生産・海外販売」の四つのモデルに分類される。

◆「食料・農業・農村基本法」の枠組みでは、日本国内で生産し、出荷先も日本市場とする「国内生産・国内販売」(内-内モデル)を食料供給能力の基本路線とし、この維持のために「国内生産・海外販売」(内-外モデル)を有効に機能させることが食料安全保障確保の基本的な考え方となっていると理解される。

◆「内-内モデル」、「内-外モデル」に比べ、生産基盤を海外に有して国内に供給する「海外生産・国内販売」(外-内モデル)および「海外生産・海外販売」(外-外モデル)は改正基本法では十分に検討されているとは言い難い。しかし、食料安全保障上のサブシナリオとして検討の余地があると考えられる。

◆重要なことは、我が国の食品安全保障の将来を見据えつつ、これら四つのモデルを相互に連環する一連の戦略シナリオとして捉え、広義の国益および世界における食料供給の最適化の観点からデザインし直すことである。

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