人的資本経営を成功させる先行指標を探る

第3回~データの活用と野生の感性を活かす

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  • マネジメントコンサルティング部 主任コンサルタント 柳澤 大貴

サマリー

◆人的資本経営を効果的に進めるためには経営戦略や中期経営計画に沿って人材を最適配置することが第一歩である。そして個々のパフォーマンスを最大限に引き出すことが人的資本経営の真骨頂である。

◆具体的な取り組みとしては人材クラスターMAPを策定し、全社の大まかな人材ポートフォリオを把握しておくことが有用である。全体を把握した後、各クラスターの重点方針を策定する。

◆人事制度改革をはじめ、健康管理の推進、職場環境の改善等が進むと従業員満足度が向上する。そして社内にイノベーションが起こると、顧客満足度の向上による売上増加やコストダウンにつながるであろう。こうして営業利益を押し上げる好循環が生まれる。人的資本への投資が企業価値向上につながり、理想のサイクルが構築されることになる。

◆人的資本経営の推進にはデータの利活用が欠かせない。経験職務の内容や経験年数、人事考課の結果、主な業績、等々のデータを駆使して人材の最適な配置や異動を行うことになる。しかしながら今日の経営環境変化はスピードのみでなく、振れ幅も大きくなっている。状況によっては過去の職務経験や知見に裏付けされた、『野生の感性』を持ち合わせた人材の起用が求められる場面も想定される。ビジネスチャンスが訪れた時にそれをしっかりグリップできる態勢の構築が欠かせない。

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