太陽光発電は、太陽の「光」をエネルギー源として電力に変換する仕組みのことである。光エネルギーを直流の電気エネルギーに変換する太陽電池と、その直流電気を交流電気に変換するインバータなどから構成される(図表1)。
現在、主流の太陽電池技術は、単結晶シリコンと多結晶シリコンであり、この2種類で約8割のシェアを占めている。その他の技術には薄膜シリコン、化合物系、有機系(研究開発レベル)がある。
太陽光発電のCO2排出は、ほとんどが装置の製造時に発生する。製造時のCO2排出分を相殺するのにかかる期間をCO2ペイバックタイムといい、2~3年とされる。一方、装置の寿命は、太陽電池が20~30年、インバータが10~15年といわれている。太陽光発電のライフサイクル全体でみると、CO2ペイバックタイムを引いた残りの年数はCO2を排出しないとみなせるため、CO2削減効果の大きい発電方法として期待が高い(図表2)。
図表1 太陽光発電(個人用住宅)の一般的な構成
出展元:NEDO
図表2 太陽光発電の利点と課題
(※1):2009年時点。ただし今後の技術革新と市場拡大でコストダウンが進むと予想されている。補助制度や余剰電力買取制度によるコストダウンも期待される。
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(2009年8月14日掲載)
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