診療報酬と介護報酬の同時改定で期待される医療・介護連携

働き方改革を後押ししつつ費用全体の伸びを抑制する改定が必要

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2023年12月06日

サマリー

◆コロナ禍の中では、高齢者施設内で発生したクラスターに対する医療提供が不十分であったり、新型コロナウイルス感染症で入院した高齢患者が、療養期間終了後も自宅や施設にスムーズに戻れず入院が長期化したりするなどの問題が頻発した。平時から医療・介護の連携体制を構築しておけば、こうした事態を防ぐことができるだろう。

◆今後、生産年齢人口が減少して人材等が限られる中、医療・介護の複合的ニーズを有する高齢者の急増が見込まれており、2024年度の診療報酬・介護報酬の同時改定では、医療・介護のさらなる連携強化が求められる。まずは連携のネックとなっている人材不足を緩和するため、医療従事者のタスク・シフト/シェアを一段と進める必要がある。

◆ただ、経済・社会の活力を維持するため全体としては医療・介護を中心とした歳出改革の徹底が求められており、メリハリを効かせた診療報酬・介護報酬の改定とすることが重要だ。

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