外来医療の変化を制度改革に活かす

コロナ禍で増えた1日当たり医療費から考える

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2022年01月04日

サマリー

◆コロナ禍の中、受診抑制等で外来医療費の総額は減少傾向にあるが、2020年度の外来1日当たり医療費は前年比6.4%増だった。背景には、比較的軽症な「呼吸器系の疾患」の減少や、それに伴う「投薬」の減少があった。社会保険ソリューションを提供する目的から大和総研が保有している健康保険組合のレセプトデータ集計値からも、2020年度は風邪による受診件数が実際に激減したことを確認できる。

◆1人当たり外来受診回数が非常に多い日本では、コロナ禍を機とした外来医療の分野での変化を捉えて受診の適正化を図ることが重要だ。それには、かかりつけ医の機能を明確にして定着させる必要がある。令和4年度診療報酬改定において、外来医療の機能分化・連携に向け、かかりつけ医に関する現在の実態に即した改革が進められることが明確にされた点は大きな前進である。

◆また、コロナ禍の中では処方箋1枚当たり調剤医療費が増えており、長期処方が増加した。患者の負担を軽減し、利便性を高めつつ外来医療の効率化を図るには、症状が安定している患者などでリフィル処方を活用していくことが有効だ。医師・患者の双方にとって利用しやすい仕組みとすることが求められる。

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