コロナ禍で顕在化した介護の課題

介護給付の重点化と効率化が急務

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2020年09月30日

サマリー

◆コロナ禍に伴う介護の利用控えによる重度化が懸念された。だが、ほぼすべての診療科で受診抑制が見られた医療とは異なり、介護の利用控えはショートステイやデイサービスなど軽度者の利用が多い一部のサービスにとどまった。

◆軽度者の利用が減ったことで、サービス供給が重度者に重点化された面があったと言えるかもしれないが、利用件数が減少しても介護費用は増加基調にある。

◆感染拡大の影響で業績が悪化している企業は多く、介護などの社会保険料の増加が企業の経営を圧迫している。介護費用のさらなる膨張が見込まれる中、負担の先行きを示し、制度の持続性を高めるためにも、これまで指摘されてきた給付の見直しが急務であることをコロナ禍は示している。

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