サマリー
◆「認知症施策推進大綱」が関係閣僚会議で決定された。大綱では従来の認知症との「共生」に加え、新たに「予防」にも重点が置かれることになった。認知症の予防やその症状の進行の予防、認知症の人が尊厳と希望を持って過ごせる共生は一体的に取り組むべき課題だが、主として共生を実現することを目的とした認知症サポーター数、認知症カフェ実施数は大幅に増加しており、第一段階としての取り組みが全国的に普及してきた。
◆一方、主として予防を目的とする「通いの場」への参加率は地域差が見られる。認知症施策推進大綱では、認知症の予防効果が期待される通いの場への参加率を2025年までに全国で8%程度(2017年度の実績は4.9%)とすることがKPI/目標に掲げられており、参加率が低い地域ではその引き上げが課題だ。
◆今後は民間の商品やサービスを利用して積極的に認知症予防に取り組みたいと考える高齢者が増加する。認知症予防をうたう商品やサービスは市場に広がりつつあるが、それらの効果を比較することは現状難しい。そこで、認知症施策推進大綱では、民間の商品やサービスに関する評価・認証の仕組みについても検討することが明記された。
◆評価・認証の制度が整備されれば、高齢者がニーズに合致した商品やサービスを適切に選択し、予防を含む認知症への備えに一層取り組みやすくなる。積極的に予防に取り組む高齢者が増えれば、認知症関連の介護保険給付費の伸びを抑制することにもつながり得る。商品やサービスを提供する企業にとっても、評価や認証制度によって安全性や有効性を示すことができればメリットは大きい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
イタリアISEEに学ぶ、社会保障給付の簡素な判定の仕組み
世帯の所得・資産を一つの指標にまとめる仕組みと、日本の社会保障制度への示唆
2026年10月14日
-
第3号被保険者制度見直しの財政改善効果は厚生年金保険料率0.1%pt分程度
第3号被保険者制度見直しの財政影響を試算
2026年09月25日
-
現役世代の保険料率は引き下げられるか
サービス維持との両立には、給付と負担の改革、DX/AX推進が不可欠
2026年09月02日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

