地域差縮減と環境整備が課題の認知症予防

期待される高齢者のQOL改善と介護費の伸び抑制、介護市場の成長

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2019年07月26日

サマリー

◆「認知症施策推進大綱」が関係閣僚会議で決定された。大綱では従来の認知症との「共生」に加え、新たに「予防」にも重点が置かれることになった。認知症の予防やその症状の進行の予防、認知症の人が尊厳と希望を持って過ごせる共生は一体的に取り組むべき課題だが、主として共生を実現することを目的とした認知症サポーター数、認知症カフェ実施数は大幅に増加しており、第一段階としての取り組みが全国的に普及してきた。

◆一方、主として予防を目的とする「通いの場」への参加率は地域差が見られる。認知症施策推進大綱では、認知症の予防効果が期待される通いの場への参加率を2025年までに全国で8%程度(2017年度の実績は4.9%)とすることがKPI/目標に掲げられており、参加率が低い地域ではその引き上げが課題だ。

◆今後は民間の商品やサービスを利用して積極的に認知症予防に取り組みたいと考える高齢者が増加する。認知症予防をうたう商品やサービスは市場に広がりつつあるが、それらの効果を比較することは現状難しい。そこで、認知症施策推進大綱では、民間の商品やサービスに関する評価・認証の仕組みについても検討することが明記された。

◆評価・認証の制度が整備されれば、高齢者がニーズに合致した商品やサービスを適切に選択し、予防を含む認知症への備えに一層取り組みやすくなる。積極的に予防に取り組む高齢者が増えれば、認知症関連の介護保険給付費の伸びを抑制することにもつながり得る。商品やサービスを提供する企業にとっても、評価や認証制度によって安全性や有効性を示すことができればメリットは大きい。

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