サマリー
◆国内のM&A件数が増加している。その要因には高齢化による事業承継の増加がある。他方、グローバル化や事業の多角化を目的とした大手企業によるM&Aも目立つ。
◆そうした中、介護ビジネス分野のM&Aも徐々に増加している。介護業界のM&Aは、人手不足や後継者不足の問題の解消という売り手側のニーズと、既存事業の強化や成長産業への新規参入という買い手側のニーズが合致することで増えているとみられる。M&Aによって事業所の経営が安定すれば介護の質の向上も期待できるため、利用者にとっても望ましい。
◆介護保険制度の今後の改革によって、保険適用範囲の見直しや介護事業所の大規模化が進むとみられる。これらの方針は介護市場の成長を後押しする。また、日本の介護サービスや福祉用具、介護予防等に対する海外からの関心も高い。介護ビジネスは公的保険をベースとしたものではあるが、成長が期待できる産業であり、引き続き市場の拡大を見込んだM&Aが増加するだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
DC自動移換者問題の解決に向けて
自動移換者を「発生させない」「増やさない」対策が求められる
2025年03月03日
-
年金積立金の平滑化メカニズムにリスクはないか?
GPIFの2024年度3Q運用実績と年金財政の動向
2025年02月19日
-
少子化対策の財源確保に向けた医療・介護の歳出改革
医療・介護費の伸びを抑制する視点がますます重要に
2025年02月10日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日