保険者機能強化に向けた交付金の在り方

調整交付金の活用によって介護保険者の自律的な行動をさらに促せ

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2019年05月07日

サマリー

◆介護保険の調整交付金は、保険者である市町村の責によらない財政力の差を解消するために配分されている交付金(全国ベースで給付費の5%相当分)である。75歳以上人口比率が高く、財政力指数の低い東北や西日本には、介護給付費に対する調整交付金の割合が高い地域が多い。

◆しかし、条件が不利でも積極的に自立支援・重度化防止に取り組むことで、介護認定率を抑制してきた保険者もある。2018年度から、前向きに改革に取り組んだ保険者に報いる保険者機能強化推進交付金が、調整交付金とは別の仕組みとして運用されている。

◆調整交付金については、保険者の裁量が及ばない地域差をより精緻に調整することも重要だ。他方、2021年度から始まる事業計画期間では、調整交付金の活用という介護保険の大枠の中に、予防等に努力した保険者がより報われるようなインセンティブの構造や保険者機能の強化を入れ込んでいくことも強く求められる。

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