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消費に加えて生産・景況感も持ち直し~今後の地域の雇用・所得環境に注意

2020年10月 大和地域AI(地域愛)インデックス

経済調査部 主任研究員 溝端 幹雄

経済調査部 研究員 中田 理惠

サマリー

◆2020年10月の大和地域AI(地域愛)インデックスは、全地域で改善した。

◆分野別に見ると、消費関連のインデックスは「北陸」を除く全地域で改善した。新型コロナウイルス感染症の影響で、「北海道」「中国」などは地元で買い物をする傾向が強まり、家電や乗用車販売、百貨店販売でも下げ止まりや持ち直しとなる地域が増えている。ただし、宿泊など観光関連はGo Toトラベルで割引額の大きい高価格帯を除けば、その動きは弱めだ。背景には、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない上、雇用・所得環境が全地域で弱い動きに転じていることが挙げられる。今後、地域の消費動向を見る上では、感染状況や雇用・所得環境が重要な要因となるだろう。企業関連では、「関東甲信越」「東海」「近畿」で輸送機械を中心に生産・輸出が下げ止まりや持ち直しを示しており、企業の景況感も全国的に改善している。一方、設備投資は「九州・沖縄」「中国」など悪化する地域が目立つ。もちろん、一部には産業構造の変革や人手不足等に対応した設備投資も見られるが、特に宿泊・飲食サービスは新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減少、手元資金の確保から店舗等の建設投資を見送るなど、今年度の設備投資計画は前年度を下回る地域が出てきている。そうした中、公共投資は引き続き安定した景気の下支え要因だ。

◆国内の新型コロナウイルス感染症が今冬に再拡大する懸念や在宅勤務など新しい生活様式の定着もあり、日銀短観では建設・不動産や小売において景況感の先行き悪化を示す地域が多くなっている。Go To トラベルやGo To イートは遠方客の動きが鈍く、足元で消費をけん引している家電も特別定額給付金に依存しており持続性には疑問もある。さらに年度後半には賞与の減少を予想する声が多いことから、地域消費が順調に回復軌道に乗るかどうかは予断を許さない。なお、「九州・沖縄」では令和2年7月豪雨による悪影響は小さかったようだ。

◆9月に発足した菅新政権では、行政手続のデジタル化や規制改革などを政策の柱に掲げており、コロナ禍を逆手に取りデジタルトランスフォーメーション(DX)を強力に後押しすると思われる。これらの政策は地域でも中長期的な生産性の向上につながるだけでなく、新しい生活様式に沿った新たなビジネスの種を生む可能性も期待できそうだ。

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