2019年09月10日
サマリー
◆長期的な視点に立ってインバウンド需要を拡大させることは、地方経済および地域金融に新たな活力を生み出し、地方創生の実現にも資することとなる。本稿では、訪日外国人旅行者数と旅行消費額が近年急増している背景について概観した上で、その恩恵の都道府県間格差について分析し、今後の課題について考察する。
◆近年の訪日外国人旅行者数と旅行消費額の急増は、第2次安倍内閣以降の積極的なインバウンド政策によるところが大きい。主なインバウンド政策としては、①訪日ビザの発給要件の緩和や免除、②消費税免税の対象拡充・手続き簡素化、③航空ネットワークの拡大・強化、④出入国手続きの簡素化など、が挙げられる。
◆延べ宿泊者数の増加が目立つ沖縄と大阪について、沖縄は日本人と外国人が概ね同程度プラスに寄与している一方、大阪は外国人の増加寄与の方がかなり大きい。延べ宿泊者数が減少している6県(岩手、新潟、栃木、高知、山形、群馬)を確認すると、いずれも外国人はプラスに寄与しているものの、それ以上に日本人のマイナス寄与が大きい。
◆訪日外国人旅行消費額の2012年から2017年にかけての変化は、東京と大阪が突出している。訪日外国人旅行消費額の家計最終消費支出に対する比率は、沖縄、大阪、京都、東京で大きく上昇しており、それに北海道や福岡が続く。これらの地域では、インバウンド需要拡大の恩恵が相対的に大きいと考えられる。
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