2021年06月02日
サマリー
◆これまで政府と地方公共団体はマイナンバーカードの取得を促進してきたが、現状その成果が十分に上がっているとはいえない。また、各市区町村のマイナンバーカードの取得率にはばらつきがあり、その背景には取得促進キャンペーンの違いがあると考えられる。そのため本レポートでは、各市区町村のマイナンバーカード取得率と取得促進キャンペーンに関するデータを基に、どのような取組みが取得率向上に繋がるかを検討した。
◆検討の結果、実施する取組みの数を増やすことでマイナンバーカード取得率が向上することが示唆された。個別の取組みについては、これまで実施率の低かった「企業・団体等一括申請」等のキャンペーンに相対的に大きな取得率向上効果があることが示唆された。また、主にマイナンバーカードの広報活動に関連した「独自のキャンペーン」等についても一定程度取得率を向上させる効果があることが示唆された。一方で、実施率が相対的に高かった「交付申請書用封筒の周知・利用促進」等のキャンペーンについては取得率を押し上げる効果を確認できなかった。本レポートの分析で効果が見られたキャンペーンを複数行うことで、マイナンバーカード取得率の更なる向上が期待される。
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