サマリー
◆政府は、データ連携活用基盤を2022年から本格始動する計画である。欧米では同様の基盤が既に稼働しており、日本は後発になるが、日本中のリアルデータを集約し、様々な産業がビジネスに活用できる環境が整備されれば、産業のさらなる発展が期待できる。
◆データ活用において、日本はリアルデータの収集、社会実装・産業化に強みがある反面、データの収集、ビッグデータ化、AI等の分析が弱みである。強みを活かし、弱みを克服する仕組みづくりが課題であり、データ連携活用基盤は、その課題解決の一助となる。
◆パーソナルデータの流通・活用を促す仕組みとしては、PDS(Personal Data Store)、「情報銀行(情報利用信用銀行)」、「データ取引市場」の3つが考えられおり、データ連携活用基盤に合わせて、整備が進んでいく予定である。
◆2019年、情報銀行及びデータ取引市場の事例が徐々に出始めてきた。産業を超えた企業連携が進み、各産業の参入障壁が低くなることで、産業構造が大きく変わる可能性もある。現段階で、企業にできることは、自社リソースについて他社との協調領域/競争領域を把握し、データ活用ビジネスに関わるエコシステムの中での自社ポジションを明確化し、可能であれば来る商機を見越した企業連携も進めていくことだろう。
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