サマリー
政府は生涯現役社会の実現に向けて、70 歳までの就業機会の確保を図りつつ、高齢者の多様な就労の選択肢を広げることを検討している。高齢者雇用の拡大は個々人の希望をかなえ、また、経済の持続的な成長のための重要な取り組みであり、それを阻害しない中立的な年金制度の整備が不可欠である。本稿では年金制度と高齢者雇用について、2019 年の論点を考察した。
年金制度については、受給開始時期の柔軟化などの見直しが具体策として挙げられる。高齢者の長く働こうというインセンティブとなり得る政策であるが、保険料拠出期間の延長により高齢期の就労が年金額に反映される仕組みとすることが効果的だろう。2019 年公表の財政検証結果も踏まえた上で、今後の議論が進められていくものと思われる。
高齢者雇用については、70 歳までの就業機会の確保に関して、2019 年夏に具体的な制度化の方針が示される予定だ。同一企業内や企業グループ内の継続雇用の拡充に加え、人余り企業から人手不足企業への移動がうまくいくかがカギとなろう。また、同一労働・同一賃金を進める中で、雇用の流動化を促し多様な働き方を可能にしていく必要がある。

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