サマリー
日本の世帯で見た所得格差の拡大の要因は、単身高齢世帯層が増加したことによって低所得世帯が増加したとも指摘されているが、一方で、各世帯の構成員の年齢構成や就業状況が分からないため、高齢化の要因が強く影響することで、所得格差の現状が捉えにくいという課題があると言われている。
そのため本稿では、日本の所得格差について、年齢階級別の労働所得のジニ係数によって年齢層別の現状を把握しながら、高齢者層よりも若年層に問題があるのではないかとの仮説の下、簡単な検証を行った。その結果、男性の現役世代と女性の若年層において、格差が拡大している可能性が示唆された。
日本の経済的格差の拡大は、教育や学歴、情報等の様々な領域へ波及し、社会的格差という、数値では表しにくい質的格差の拡大、固定化につながることが懸念されている。特に若年層において経済的・社会的格差が拡大すると、世代内、世代間へ継承され、重大な問題に発展する可能性が高まる。一方、一定の競争環境に基づく“ 適度な” 格差は必要であろう。少なくとも過度で不合理な格差を是正することで、現役世代が、高い意欲と向上心を持って働き続けることが可能となる社会の構築が、今後期待されるだろう。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年度の健康経営の注目点
企業価値向上と地域/国際社会への波及を目指す次のフェーズへ
2025年12月23日
-
健康経営の新たな戦略基盤
従業員多様化時代のウェルビーイングプラットフォームの可能性
2025年10月24日
-
健康経営の評価軸は「成果」へシフト
スコープは社会全体のウェルビーイング向上や経済成長にも拡大
2025年09月12日
最新のレポート・コラム
-
「飲食料品の消費税ゼロ」「消費税一律5%」の費用対効果と必要性
消費減税ではなく、給付付き税額控除の導入を進めるべき
2026年01月21日
-
中国:今後10年の長期経済見通し
第15次5カ年計画の基本方針、山積する構造問題に処方箋を出せず
2026年01月21日
-
「飲食料品の消費税ゼロ」の経済効果
世帯あたり年8.8万円の負担軽減になり個人消費を0.5兆円押し上げ
2026年01月20日
-
データサイエンスで紐解く健康経営②
運動習慣の定着や食生活改善にアプリ等を活用する際には、ナッジを用いた従業員の参加促進がカギ
2026年01月20日
-
『確定給付型年金の再評価と日本企業への示唆』
2026年01月21日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日

