サマリー
日本の世帯で見た所得格差の拡大の要因は、単身高齢世帯層が増加したことによって低所得世帯が増加したとも指摘されているが、一方で、各世帯の構成員の年齢構成や就業状況が分からないため、高齢化の要因が強く影響することで、所得格差の現状が捉えにくいという課題があると言われている。
そのため本稿では、日本の所得格差について、年齢階級別の労働所得のジニ係数によって年齢層別の現状を把握しながら、高齢者層よりも若年層に問題があるのではないかとの仮説の下、簡単な検証を行った。その結果、男性の現役世代と女性の若年層において、格差が拡大している可能性が示唆された。
日本の経済的格差の拡大は、教育や学歴、情報等の様々な領域へ波及し、社会的格差という、数値では表しにくい質的格差の拡大、固定化につながることが懸念されている。特に若年層において経済的・社会的格差が拡大すると、世代内、世代間へ継承され、重大な問題に発展する可能性が高まる。一方、一定の競争環境に基づく“ 適度な” 格差は必要であろう。少なくとも過度で不合理な格差を是正することで、現役世代が、高い意欲と向上心を持って働き続けることが可能となる社会の構築が、今後期待されるだろう。

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