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消費税率10%後の財政・社会保障見通し

日本経済中期予測(2020年1月)第5章

2020年01月23日

経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司

サマリー

◆国・地方のプライマリーバランス(PB)は2025年度で対GDP比▲3.0%、公債等残高対GDP比は上昇が続く見込みである。内閣府「中長期の経済財政に関する試算」で示された高成長シナリオを実現し、現在検討されている社会保障改革を進めれば2025年度のPB黒字化は可能だが、その蓋然性は低い。

◆こうした財政見通しに基づけば、歳出・歳入改革に軸足を置いて社会保障制度と財政の持続性確保に取り組んでいく必要がある。生産性年齢人口が今後50年で約4割減少すると見込まれていることや、現役世代や企業の保険料負担が既に相当に重くなっていることを踏まえると、消費税率はいずれ10%超に引き上げざるを得ないだろう。

◆全世代型社会保障検討会議の中間報告では、労働・年金・医療分野を中心に改革の具体的な方向性が示された。また、現役世代の負担上昇を抑えながら、全世代が安心できる社会保障制度を構築する必要性が指摘されている。だが、将来の給付と負担の姿を見通すことができなければ、全世代の将来不安は払拭されないだろう。目指すべき自助・共助・公助のバランスや、そのために必要な改革の規模などについて議論を進めるべきだ。

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