サマリー
財政問題の背景には2度のベビーブームによる人口動態や、死亡率の予想以上の低下がある。また、政府債務と家計金融資産の関係の予測も踏まえると、2020年代に難局を迎える可能性がある。2020年度の基礎的財政収支の黒字化目標を先送りしてはならない。
DIR中期予測では、2020年度の基礎的財政収支はGDP比▲2.3%、2020年代には赤字幅が拡大してしまうと予想している。内閣府の試算との関係、税収や歳出の現状と見通し、デフレからの脱却や経済成長が財政収支に与える影響を吟味しても黒字化目標の達成は現時点では難しいと考えざるを得ない。
社会保障改革の考え方を理解するための長期シミュレーションを行うと、賃金で実質化した高齢者1人当たり給付を現在から3割程度削減することが財政健全化のための目安と考えられる。給付抑制の必要性は経済成長率が高まっても、少子化対策が奏功したとしても基本的に変わらない。
当面の課題は、消費税率の10%への引き上げを着実に行いつつ、社会保障改革を鋭意に進めながら、基礎的財政収支を黒字化するための実効的かつ具体的な財政改革ルールを再構築することだろう。

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