マル優・NISA等の非課税制度が家計金融資産に及ぼした影響の長期分析

~家計の国債保有優遇策の検討に向けた政策的示唆~『大和総研調査季報』2026年秋季号(Vol.64)掲載

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サマリー

金利と物価の上昇が続く中、家計のインフレヘッジ手段の確保や国債の安定消化の観点から、家計の国債保有優遇策の導入を求める声が強まっており、金融庁等も2027年度税制改正要望に掲げた。現下の状況を踏まえて、かつてのマル優等に類似する利子所得非課税制度への期待が寄せられている。本稿では、戦後日本の家計金融所得に対する課税の歴史を振り返り、1988年3月までの非課税貯蓄制度や2014年以後のNISAが家計に与えた影響を分析し、今後の政策判断に向けた示唆を得る。

本稿の分析に基づくと、利子所得の非課税制度は、元本確保型金融商品の実質リターンがマイナスの時期に、家計の実質的な担税力に配慮した課税とする効果があるが、そもそもの利回りが低いと効果が小さい。今後、利子所得の非課税措置を設けるとしても、家計が金利リスクや信用リスクを取ってより高い利回りを志向できるようにする制度設計が望ましい。また、NISAを通じて家計に長期分散投資による資産形成が根付きつつあり、利子所得の非課税制度がNISAを通じた家計の株式等や投資信託への投資の妨げにならないように留意する必要があるだろう。

大和総研調査季報 2026年秋季号Vol.64

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