2020年12月28日
サマリー
◆2020年12月10日に公表された「令和3年度税制改正大綱」において、株式対価M&Aを促進するための税制措置を導入することが明らかにされた。これは、2019年の改正会社法で導入された、自社株対価の買収(子会社化)を実施しやすくする「株式交付制度」(2021年3月1日施行)について、買収に応じた株主の課税を繰り延べるものである。
◆改正前の会社法においても、制度上、自社株対価の買収は可能だが、会社法の現物出資規制等や対象会社の株主に対する課税の発生のため、実務的には困難であると指摘されている。株式交付を活用すれば現物出資規制等が適用されないことに加え、税制改正大綱の株主の課税繰延措置の導入により、自社株対価の買収が実施しやすくなると考えられる。
◆株式交付は、買収会社と対象会社の間で合意する必要がないため、敵対的買収に利用される可能性がある。ただし、買収会社が上場会社であれば事前に株主総会の決議事項が公表され、対象会社に対抗措置を取る猶予が与えられるため、株主総会の特別決議(簡易手続の場合は不要)が必要な場合は、株式交付は敵対的買収には利用しづらいだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
飲食料品消費税率引下げによる事業者への影響
税制や予算の特例により事業者への影響を抑える方針
2026年10月14日
-
国債保有優遇・NISA利便性向上を要望
金融庁・令和9年度税制改正要望
2026年09月17日
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

