税優遇で5G導入を促進する

オープンイノベーション促進税制とともに新設

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2020年04月06日

サマリー

◆令和2年度税制改正に伴い、所得税法等の一部を改正する法律が2020年3月27日に成立し、オープンイノベーション促進税制と5G導入促進税制が新設されることとなった。

◆オープンイノベーション促進税制は、国内の事業会社等が、創業10年未満・非上場のベンチャー企業の株式を1億円以上の出資の払込みにより取得した場合、その株式の取得価額の25%の所得控除を認めるという制度である。

◆5G(第5世代移動通信システム)は、IoT時代の基幹インフラといえる。ローカル5Gは、場所を限定して特定の用途に5Gを活用する仕組みであり、地域課題解決への活用が期待される。どちらも既に一部で運用が開始されている。今般の新型コロナウイルス感染拡大のように、今後、自宅で仕事や余暇を過ごすことを余儀なくされた場合、5Gを用いることで、人々の生活の質の向上に貢献できると思われる。

◆5G導入促進税制は、全国5G基地局の前倒し整備と、ローカル5Gへの投資について、取得価額の15%の税額控除または30%の特別償却ができる措置である。税額控除15%は、これまでの設備投資減税と比べても最高レベルの控除率であり、税額控除が適用できない赤字法人等を除けば税額控除を選択する企業がほとんどになると思われる。ただし、2020年度については、新型コロナウイルス感染拡大を受け、赤字法人が出てくると考えられる。そのため、補助金活用を含めた柔軟な対応が必要になると思われる。

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