仮想通貨の税制① 消費税・所得税
原則として雑所得、確定申告が必要
2018年10月09日
サマリー
◆昨年から今年にかけてビットコインを中心に仮想通貨の価格が大きく変動し、国内でも仮想通貨取引で利益を得た者が一定数いたことが見込まれる。しかし、仮想通貨取引の税務上の扱いは十分に明らかになっておらず、国税庁による一層の整備と、申告者側の正確な税制の把握が望まれる。
◆明らかになっている範囲では、消費税においては、資金決済法上の「仮想通貨」の譲渡は2017年7月1日以後、消費税非課税となっている。所得税においては、仮想通貨を売却または使用(商品の購入、他の仮想通貨と交換)したときには所得税が課税される。原則、雑所得として総合課税され、税率は15%~55%(住民税10%を含む)の累進課税となる。
◆国税庁は仮想通貨の取引をどこまで正確に捕捉することが可能だろうか。仮に、仮想通貨に関する支払調書の提出が義務付けられるなどの施策が行われれば、国税庁はある程度仮想通貨の取引を捕捉することが可能になると考えられる。ただし、仮想通貨は個人間での取引も行われており、今後はこうした取引所、交換業者等を介していない取引を捕捉するための仕組みづくりが行われる可能性もある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月26日
銀行等の業務範囲・5%ルールなどの見直し
銀行制度等WG報告
-
2021年01月25日
2021年のASEAN5経済見通し
景気回復は年後半に加速。懸念が多いタイとフィリピン。
-
2021年01月25日
税金読本(16-2)税務署への財産債務の申告と国外転出時みなし譲渡益課税
-
2021年01月22日
金融商品の評価
金融商品の価値はどのように算定するのか?
-
2021年01月26日
コロナ禍における地球環境問題
~ CO₂削減に向けたムーブメント ~
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く