サマリー
◆昨年から今年にかけてビットコインを中心に仮想通貨の価格が大きく変動し、国内でも仮想通貨取引で利益を得た者が一定数いたことが見込まれる。しかし、仮想通貨取引の税務上の扱いは十分に明らかになっておらず、国税庁による一層の整備と、申告者側の正確な税制の把握が望まれる。
◆明らかになっている範囲では、消費税においては、資金決済法上の「仮想通貨」の譲渡は2017年7月1日以後、消費税非課税となっている。所得税においては、仮想通貨を売却または使用(商品の購入、他の仮想通貨と交換)したときには所得税が課税される。原則、雑所得として総合課税され、税率は15%~55%(住民税10%を含む)の累進課税となる。
◆国税庁は仮想通貨の取引をどこまで正確に捕捉することが可能だろうか。仮に、仮想通貨に関する支払調書の提出が義務付けられるなどの施策が行われれば、国税庁はある程度仮想通貨の取引を捕捉することが可能になると考えられる。ただし、仮想通貨は個人間での取引も行われており、今後はこうした取引所、交換業者等を介していない取引を捕捉するための仕組みづくりが行われる可能性もある。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
道府県民税利子割への清算制度導入を提言
令和8年度税制改正での実現は不透明な情勢
2025年08月13日
-
2012~2024年の家計実質可処分所得の推計
2024年は実質賃金増と定額減税で実質可処分所得が増加
2025年04月11日
-
「103万円の壁」与党修正案の家計とマクロ経済への影響試算(第5版)
所得税の課税最低限を160万円まで引き上げる与党修正案を分析
2025年03月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日