金融口座情報の各国税務当局間の交換制度
CRSにより外国金融機関の口座情報を税務当局が把握し得ることに
2017年04月14日
サマリー
◆経済取引のグローバル化が進展する中で、外国の金融口座を利用した国際的な脱税や租税回避に対処するためには、国外にある金融口座の情報を入手することが重要である。そのため、「非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度」が平成27年度税制改正で導入され、すでに今年1月からスタートしている。
◆本制度では、金融機関は、取引を行う者の居住地国がどこかを特定した上で、非居住者の口座情報を我が国の税務当局に報告することが義務付けられる。我が国の税務当局は、得た情報を、その非居住者にとっての自国の税務当局に提供することとなる。
◆本制度は国際的な合意に基づいて導入されたものであり、現時点で我が国を含め100カ国が同様の制度を導入することにコミットしている。そのため、我が国の居住者が外国の金融機関に口座を有している場合も、その国で同様の制度が設けられていれば、その国の税務当局経由で我が国の税務当局に口座情報が提供されることとなる。
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