2015年03月02日
サマリー
近年、富裕層や多国籍企業の租税回避行為が世界的に問題となっている。
個人においては、国外に資産を移転することで税負担を回避する例、多国籍企業においては、電子商取引、ハイブリッドな金融商品・事業体、利子の損金算入、タックス・ヘイブンや各国の税制上の優遇措置、租税条約の優遇措置、PE認定の回避、無形資産の移転、グループ内取引の移転価格の操作などで合法的に税負担を軽減する例が出てきており、政治問題化している。
個人の資産の移転に関しては、米国のFATCAやOECDのCRSなど、自国民が海外に開設した口座情報を収集する仕組みが構築されている。FATCAは既に実施されており、CRSは2016年または2017年からの開始が予定されている。多国籍企業の租税回避に対しては、OECDが進めるBEPS(税源浸食と利益移転)の防止プロジェクトが進められており、2014年9月に第一段階が終了し、2015年末までに完了する予定である。わが国の平成27年度税制改正に盛り込まれる項目もある。本稿では、これらの内容を、金融証券取引への影響等にも触れつつ解説する。

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