サマリー
◆年間の給与収入が「103万円」または「130万円」の範囲に収まるよう就労調整を行っている女性は多く、これが女性の活躍推進を妨げているとされ、「103万円の壁」、「130万円の壁」と言われている。安倍首相は税・社会保障上のこうした問題について見直すよう指示し、2014年4月14日の政府税制調査会において検討が開始された。本稿では「103万円の壁」について述べる。
◆就労調整の1つの要因となっている「103万円の壁」の問題には、103万円を境に妻の就労に伴い税負担が生じ始めることによる「心理的な壁」と、夫の会社の配偶者手当が支給されなくなることで世帯の手取りが減る「現実的な壁」の問題の2つがある。
◆「103万円の壁」を取り除くには、前者は配偶者(特別)控除の改正、後者は企業に配偶者手当制度の改正を促すことが必要となる。もっとも、これらの施策が行われても依然として「130万円の壁」は残るため、女性の就労が促進されるとしても、それは給与収入103万円から130万円までの範囲に限った話である。女性の活躍推進のためには「130万円の壁」の問題と合わせた検討が必要であろう。
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