サマリー
2014年1月からNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)がスタートする。金融機関のNISA口座獲得競争が行われており、NISA向け金融商品の準備も着々と進んでいる。昨年来の株価高騰も相まって、証券税制の改正がこれほど注目されるのは珍しい。
NISAは、これまでの上場株式等の譲渡益、配当等に対する10%税率に代わって、新たな切り口で「貯蓄から投資へ」を促進しようとする政策である。金融庁は、NISAの投資残高を2020年までに25兆円にするという異例ともいえる数値目標を掲げている。この制度の模範となったのは、英国のISA制度である。英国ISAとNISAを比較して、NISAの不便な点に批判が向けられることもあるが、制度を設計した金融庁も、決してNISAを完全な制度として捉えておらず、乗り換え防止を意図して不便にした部分もある。
NISAが、「貯蓄から投資へ」を促進させることができれば、その効果が期待できる制度として、番号制度なども利用することにより、さらなる改正が行われ、利便性が高まるであろう。本稿では、NISA創設の経緯、制度概要を概説し、投資家各層のNISAの活用法や、今後の改正などについて述べる。
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