サマリー
◆2012年2月17日、政府は「社会保障・税一体改革大綱」を閣議決定した。内容は、1月6日に政府・与党社会保障改革本部が決定した「社会保障・税一体改革素案」とほぼ同じものである。
◆大綱では、年金、医療、介護などの社会保障制度を持続可能なものとするため、給付は高齢者、負担は現役世代という現在の制度を見直し、子ども・子育て支援などを中心に、未来への投資という性格を強め、全世代対応型の制度としていく方向性を示している。
◆さらに、社会保障の安定財源確保のため、消費税率を2014年4月から8%、2015年10月から10%に引き上げることとしている。消費税の逆進性緩和のためには、給付付き税額控除制度の導入などを行うこととしている。
◆格差の是正、所得や資産の再分配機能回復の観点から、所得税の最高税率を45%に引き上げる、上場株式等の10%税率を廃止し金融所得課税一体化を推進する、2011年度改正や2012年度大綱で先送りされた相続税の課税強化・贈与税の軽減措置を実施する、などとしている。
◆その他、高齢者・年金に対する課税の見直し、法人課税の見直し・地方法人課税の見直しなども検討課題として挙げられている。
◆以下では、社会保障・税一体改革大綱の税制の部分についてとりまとめる。
社会保障改革部分の解説は、是枝俊悟「社会保障・税一体改革大綱(社会保障改革)」を参照。
◆大綱では、年金、医療、介護などの社会保障制度を持続可能なものとするため、給付は高齢者、負担は現役世代という現在の制度を見直し、子ども・子育て支援などを中心に、未来への投資という性格を強め、全世代対応型の制度としていく方向性を示している。
◆さらに、社会保障の安定財源確保のため、消費税率を2014年4月から8%、2015年10月から10%に引き上げることとしている。消費税の逆進性緩和のためには、給付付き税額控除制度の導入などを行うこととしている。
◆格差の是正、所得や資産の再分配機能回復の観点から、所得税の最高税率を45%に引き上げる、上場株式等の10%税率を廃止し金融所得課税一体化を推進する、2011年度改正や2012年度大綱で先送りされた相続税の課税強化・贈与税の軽減措置を実施する、などとしている。
◆その他、高齢者・年金に対する課税の見直し、法人課税の見直し・地方法人課税の見直しなども検討課題として挙げられている。
◆以下では、社会保障・税一体改革大綱の税制の部分についてとりまとめる。
社会保障改革部分の解説は、是枝俊悟「社会保障・税一体改革大綱(社会保障改革)」を参照。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2012~2024年の家計実質可処分所得の推計
2024年は実質賃金増と定額減税で実質可処分所得が増加
2025年04月11日
-
「103万円の壁」与党修正案の家計とマクロ経済への影響試算(第5版)
所得税の課税最低限を160万円まで引き上げる与党修正案を分析
2025年03月19日
-
平成以降の家計の税・社会保険料負担の推移
『大和総研調査季報』2025年新春号(Vol.57)掲載
2025年01月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日