子ども手当・高校無償化と税制改正の影響(詳細版)

2010年度税制改正大綱(4)個人所得課税の改正と、政府の育児・教育施策

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2009年12月30日

サマリー

◆2009年12月22日に「2010年度税制改正大綱」(以下、大綱)が発表された。本レポートでは、個人所得課税の改正と政府の育児・教育施策による影響試算を行う。

◆民主党マニフェストでは所得税分の扶養控除と配偶者控除の廃止を盛り込んでいたが、2010年度改正では所得税分と住民税分の扶養控除を廃止、特定扶養控除(高校生分)を縮小するとした。

◆予定通り子ども手当や高校の実質無償化が実施されれば、高校生以下の子どものいる世帯では高所得層も含め、ほぼ全てのケースで手取り収入は増加する見込みである。マニフェスト発表時と比較すると、住民税の扶養控除を廃止するとしたことなどから、「控除から手当へ」とする所得再分配効果は小さくなっている。むしろ、現行では児童手当が受給できない年収800万円~1,000万円程度の世帯の収入増が目立つ格好となっているといえる。

◆子どものいない世帯にも負担増は求められない制度設計となっているが、子ども手当全額実施に向けた財源の確保は難航が予想される。

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