法人投資家の利付債の経過利子への課税について

現行制度では利払期間中に途中売却する法人投資家の税負担が重い

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2009年06月30日

サマリー

◆現行制度における法人投資家の利付債の利子に対する課税には、利払期間の途中に法人投資家が債券を売却した場合に税負担が重くなる点や、免除法人から課税玉を購入した免除法人に益税が発生する(このため課税玉と非課税玉で取引市場が分断される)点などの問題がある。

◆法人税額等からの源泉税額を保有期間に関わらず全額控除できるようにすること、経過利子の受け渡しを(源泉税を控除しない)利子の全額とすること、の2 点の制度改正を行えば上記の問題を解消できる(免除法人への源泉徴収を保有期間に関わらず全額不適用にすることを加えるとなお良い)。

◆これらの改正を行うと個人投資家の利付債投資からの利益への課税にアンバランスが生じるが、金融所得課税の一体化が実現すればこの点も解消できる。

(個人の利付債投資の税務上の注意点及び金融所得課税の一体化についての論点については、2009年6月10日発表の拙稿「利付債の購入単価による税額の差異(個人編)」をご参照ください)

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