サマリー
◆現行制度における法人投資家の利付債の利子に対する課税には、利払期間の途中に法人投資家が債券を売却した場合に税負担が重くなる点や、免除法人から課税玉を購入した免除法人に益税が発生する(このため課税玉と非課税玉で取引市場が分断される)点などの問題がある。
◆法人税額等からの源泉税額を保有期間に関わらず全額控除できるようにすること、経過利子の受け渡しを(源泉税を控除しない)利子の全額とすること、の2 点の制度改正を行えば上記の問題を解消できる(免除法人への源泉徴収を保有期間に関わらず全額不適用にすることを加えるとなお良い)。
◆これらの改正を行うと個人投資家の利付債投資からの利益への課税にアンバランスが生じるが、金融所得課税の一体化が実現すればこの点も解消できる。
(個人の利付債投資の税務上の注意点及び金融所得課税の一体化についての論点については、2009年6月10日発表の拙稿「利付債の購入単価による税額の差異(個人編)」をご参照ください)
◆法人税額等からの源泉税額を保有期間に関わらず全額控除できるようにすること、経過利子の受け渡しを(源泉税を控除しない)利子の全額とすること、の2 点の制度改正を行えば上記の問題を解消できる(免除法人への源泉徴収を保有期間に関わらず全額不適用にすることを加えるとなお良い)。
◆これらの改正を行うと個人投資家の利付債投資からの利益への課税にアンバランスが生じるが、金融所得課税の一体化が実現すればこの点も解消できる。
(個人の利付債投資の税務上の注意点及び金融所得課税の一体化についての論点については、2009年6月10日発表の拙稿「利付債の購入単価による税額の差異(個人編)」をご参照ください)
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2012~2024年の家計実質可処分所得の推計
2024年は実質賃金増と定額減税で実質可処分所得が増加
2025年04月11日
-
「103万円の壁」与党修正案の家計とマクロ経済への影響試算(第5版)
所得税の課税最低限を160万円まで引き上げる与党修正案を分析
2025年03月19日
-
平成以降の家計の税・社会保険料負担の推移
『大和総研調査季報』2025年新春号(Vol.57)掲載
2025年01月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日