2008年における確定申告の状況の分析

株価下落と特定口座の普及を受け、申告者の83%が損失を繰越

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2009年06月05日

サマリー

◆5月22日に、国税庁より「平成20年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」が発表された。本レポートでは、株式等の譲渡所得を中心にこの報告書の分析・解説を行う。

◆2008年分の株式の譲渡について確定申告を行った者のうち「所得金額があった者」は減少した(前年比55.3%減)が、「所得金額があった者」1人あたりの所得金額は増加(前年比20.8%増)した。この背景には信用売りを中心に高い収益を得た投資家が相当数いたことが考えられる。

◆2008年分の確定申告を行った者の83.0%が損失の繰越控除を行っていた。この背景には、2008年の株価の下落がある。また、源泉徴収ありの特定口座が浸透してきているため、利益が出たときには申告者数が増えず、損失が出たときには申告者数が増える傾向にある。

◆2008年に損失の繰越を行った金額については、2009年以降は、株式等の譲渡益だけでなく上場株式等の配当からも繰越控除を行うこともできる。損益通算・繰越控除の幅が広がるため、個人投資家にとって収益拡大の機会が広がることとなる。

本レポートは、サマリーのみの掲載とさせて頂きます。

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