2022年02月25日
サマリー
◆2021年6月にコーポレートガバナンス・コード(CGコード)が改訂され、プライム市場上場会社は、海外投資家のニーズに応えられるような英文開示を行っていくことが求められている。本稿ではわが国の上場会社の英文開示の現状と海外投資家のニーズを比較して今後必要と考えられる英文開示について考察する。
◆ほとんどのスタンダード市場、グロース市場上場予定会社は株主総会招集通知や有価証券報告書を含め、各書類の英文開示は行っていない。一方、プライム市場上場予定会社は、決算短信、株主総会招集通知について約7割の会社が英文開示を実施・予定しており、IR説明会資料も約6割の会社が英文開示を行っている。しかし、事業報告や、CG報告書、有価証券報告書についてはまだ英文開示が進んでいないようだ。
◆海外機関投資家等の多くは、わが国の上場会社の英文開示状況は改善していると考えているが、現状に満足しているわけではなく、開示の量が不十分、開示のタイミングが遅い、日本語の開示と英文開示の表現に差異がある可能性があるといった理由で、不満を抱えている者が多い。
◆海外機関投資家等は決算短信、IR説明会資料の英文開示を特に重視している。これらに続いて、アニュアルレポート、有価証券報告書の英文開示を優先すべきと考えている。そのため、既に決算短信やIR説明会資料の英文開示を行っているプライム市場上場予定会社などは、特に投資判断や議決権行使に重要な情報から順に有価証券報告書の英文開示に取り組んでいくことが期待される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
EUにおける株主確認制度
SRDⅡ(EU第二次株主権利指令)に基づく株主調査の概要と課題
2026年08月07日
-
外為法の投資審査制度の見直しの動向
情報通信技術関連業種の一部を審査対象から除外する見込み
2026年07月16日
-
インターネット取引での適合性確保
金融審議会報告にて「今後検討を深めていくべき課題」と明記
2026年07月15日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

