2021年10月08日
サマリー
◆2021年8月6日、SECは、米ナスダックが提案した上場企業の取締役会の多様性に関するルールを最終承認した。
◆このルールは、米ナスダックに上場している企業に対して、①多様性のある取締役2名以上を構成員とするか、あるいは、構成員としない理由を説明すること、および、②標準化されたテンプレートを使用して、取締役会の構成員の多様性マトリックスを開示すること、などを義務付けるものである。
◆今後は、ナスダックに留まらず、ニューヨーク証券取引所など他の取引所に上場する企業にも取締役会の多様性開示や多様性目標が求められることになるのかが焦点となる。
◆SECは、2021年春に、企業の取締役会構成員や候補者の多様性に関する情報開示を強化するための規則改正を提案することを検討していると表明しており、早ければ2021年秋にも公表されることになっている。ただし、SECによるナスダックルールの採択の際に、SEC委員の中で党派による見解の対立があったことから、SECが取締役会の多様性に関する規則を制定する際にも、同様の対立や議論が想定されるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
企業価値担保権付き融資の引当等の考え方
将来情報・定性情報を適切に債務者区分・格付に反映
2025年09月01日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
令和6年金商法等改正法 公開買付制度の改正内容の詳細
30%ルール適用除外となる僅少買付け等は0.5%未満の買付け等に
2025年07月15日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日