米取引所、取締役会の多様性ルールを採用

ナスダック上場企業は2022年中に取締役会の多様性開示が義務に

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サマリー

◆2021年8月6日、SECは、米ナスダックが提案した上場企業の取締役会の多様性に関するルールを最終承認した。

◆このルールは、米ナスダックに上場している企業に対して、①多様性のある取締役2名以上を構成員とするか、あるいは、構成員としない理由を説明すること、および、②標準化されたテンプレートを使用して、取締役会の構成員の多様性マトリックスを開示すること、などを義務付けるものである。

◆今後は、ナスダックに留まらず、ニューヨーク証券取引所など他の取引所に上場する企業にも取締役会の多様性開示や多様性目標が求められることになるのかが焦点となる。

◆SECは、2021年春に、企業の取締役会構成員や候補者の多様性に関する情報開示を強化するための規則改正を提案することを検討していると表明しており、早ければ2021年秋にも公表されることになっている。ただし、SECによるナスダックルールの採択の際に、SEC委員の中で党派による見解の対立があったことから、SECが取締役会の多様性に関する規則を制定する際にも、同様の対立や議論が想定されるだろう。

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