2022年10月27日
サマリー
◆EUにおける投資商品向けのグリーンウォッシング対策として、忘れてはならないのが、本年8月2日から適用が始まっている、MiFID IIの改正である。これにより、金融市場におけるグリーンウォッシング対策が、個人投資家への販売局面にも及ぶこととなった。
◆金融庁は、本年8月31日に公表した「2022事務年度 金融行政方針」にて、「ESG投信を取り扱う資産運用会社への期待(中略)や国際的な動き等も踏まえ、各資産運用会社における適切な態勢構築や開示の充実等を図るため、2022年度末を目途に金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針を改正する」と述べている。
◆ここでいう監督指針の改正の影響が、ESG投信の販売会社にまで及ぶか否かについては、現段階では定かではないように思われる。もっとも、プロダクトガバナンスの観点等からすれば、販売会社にも何らかの形(顧客に対する十分かつ合理的な説明等)で資産運用会社への協力が求められるようになる、と考えるのが自然だろう。
◆そのように考えたときに参考になりうるのが、MiFID IIの改正と、これに付随するESMAのガイドラインである。そのため、ESG投信の販売会社は、監督指針の改正(又はその派生)の内容として、これらに類似するものが盛り込まれる可能性を意識しておくべきだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
自己資本比率規制における内部格付手法の影響
内部格付手法採用行は自己資本比率の分母を7割程度に圧縮
2025年03月10日
-
バーゼルⅢ最終化による自己資本比率への影響の試算
標準的手法採用行では、自己資本比率が1%pt程度低下する可能性
2024年02月02日
-
SFDRのQ&A、9条ファンドの要件緩和へ
「格下げ」のトレンドは終焉し、パッシブ・ファンドが増加するか
2023年05月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日