リスクアペタイト・フレームワークの現状

「地方銀行・第二地方銀行」、RAFの導入を奨励され続ける見込み

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  • ニューヨークリサーチセンター 主任研究員(NY駐在) 鈴木 利光

サマリー

◆2008年の金融危機から10年以上が経過し、一連の金融規制導入によるリスクの「抑制」の段階から、資本効率の向上や収益(リターン)の最大化を企図したリスク「テイク」に主眼を移すべき時期に差し掛かっている。

◆そのことを物語るかのように、2019年6月28日、金融庁は、「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の一部改正を公表している(同日適用開始)。

◆同改正では、金融庁による「監督指針」において、「リスクアペタイト・フレームワーク」(RAF)という用語が初めて明記されている。

◆その重要性にかんがみ、本稿では、RAFの背景をまとめたうえで、本邦におけるRAFの現状(2019年3月末時点)を調査した。

◆その結果、業態別にみた、RAFの導入割合及びROE(平均)の双方において、「地方銀行・第二地方銀行」が最も低いという結果が得られた。

◆このことから、「地方銀行・第二地方銀行」が、当局によるモニタリングに際して、RAFの導入を奨励され続けるであろうことは想像に難くない。

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