2016年01月08日
サマリー
◆2015年12月10日、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、第二次市中協議文書「信用リスクに係る標準的手法の見直し」(第二次市中協議文書)を公表している(コメント提出期限は2016年3月11日)。
◆第二次市中協議文書は、バーゼルⅡの合意(2004年)以降初めて、信用リスクに係る標準的手法に抜本的な改訂を施す旨提案するものである。
◆第二次市中協議文書では、銀行向け債権及び法人向け債権のリスク評価における外部格付の参照を廃止するとともにリスク・ウェイトの上限を現行の150%から300%に引き上げるという第一次市中協議文書の提案を撤回している。そのため、第二次市中協議文書の提案がもたらしうる標準的手法採用行の自己資本比率への影響度は、第一次市中協議文書の提案に比して低くなっているものと思われる。
◆もっとも、第二次市中協議文書の提案では、銀行向け債権のリスク評価に用いる銀行の外部格付には、暗黙の政府支援を織り込むことが認められないとされている。また、銀行の設立国のソブリン(国債等)に対するリスク・ウェイトよりも一段高いリスク・ウェイトを適用するという現行の選択肢の一つが廃止されている点も見逃せない変更である。さらに、株式保有のリスク・ウェイトを現行の100%から250%に引き上げるという提案の影響も小さくはないものと思われる。
◆BCBSは、第二次市中協議文書へのコメント及び定量的影響度調査(QIS)を踏まえ、2016年末までに最終規則を公表する見込みである。新たな標準的手法に基づくバーゼル規制の具体的な適用時期は未定であるが、BCBSは、十分な時間をかけて導入することとしている(必要な場合は経過措置を設定)。
◆なお、第二次市中協議文書の内容は、標準的手法採用行のみならず、内部格付手法採用行にも重大な関心事である。というのも、BCBSは、第一次市中協議文書と同日に、内部格付手法に対して標準的手法に基づく資本フロアを設定する旨も提案しているためである。
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